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シフトノブ設計

クルマのギアを変えるための、シフトレバーというパーツがある。そのシフトレバーの先端、いわば取っ手の部分を、シフトノブ、と呼ぶ。一見小さなパーツだが、運転のリズムが変わる瞬間、ドライバーが頻繁に触るものとして、重要度の高いパーツであると言える。

滑らかな手触りのため。
型に樹脂を流し込むスピードまで調整。

C-HRのシフトノブはサイズ的には小さなパーツだが、「できるだけ格好良いものを作る」とデザイナーが全力を注いだ部分だ。そのため、具現化にあたっては、野間ら設計部門以外に、仕入先の製造部門、生産技術部門など含めて複数の部署を巻き込んでの様々な苦労があったという。

まず、カタチ。微妙かつ複雑なラインゆえ、型と型が合わさる段差が出来てしまうという問題が生じた。本来であれば、目立つ部分に型の合わせ面を設定することは避けるのがセオリーだが、複雑な形状ゆえに避けることが難しく、段差が製品に残ってしまった。

「もちろん、金型の精度は職人さんによる型の手磨きも行い、早い段階でかなり高いものでした。ただ、上型と下型が合わさったときの圧力でどうしても型が微妙にズレてしまう。それが30マイクロメートルくらいの段差になって製品に現れていました」

数字としては小さいが、実際にドライバーの手に触ると明確な違和感となる。

「ドライバーのことを考えたら、この段差は致命的だと思いました」

野間は、30マイクロメートルが我慢できなかった。

この問題を解決するため、樹脂を流し込むスピード、流し込む圧力、樹脂を保持する圧力、保持する時間、すべての要素を見直すことで10マイクロメートル以内に収めることに成功。樹脂メーカーのベテラン職人のノウハウと勘も総動員してもぎ取った成功だ。

「職人さんの技を量産技術に落とし込むのも、大事な仕事です」

少量生産の樹脂部品であれば、たとえ段差が生じた製品であっても最終的に磨いて仕上げればいいだけの話。しかし量産品となるとそうはいかない。量産品でありながら少量生産品のクオリティを目指したのがC-HRのシフトノブなのだ。

左が調整後のシフトノブ。右が調整前のシフトノブ。開発者のこだわりが伺える。

素材の問題を、1つ1つ、100個つぶした。

C-HRのインテリアにおいては、要所に配置したサテンシルバーの繊細なアクセントが全体的に大きな役割を果たしている。ここは開発責任者の古場が格好良さという意味で特にこだわった部分でもある。シフトノブの成型した樹脂製品にサテンシルバーのクロームメッキをかけたデザインは、最初のインテリアデザイン案が出てきた段階から「ここはこれで行こう」と決まっていた事項だという。

とはいえ、このメッキはなかなかの難物だった。初期段階ではサーマルショック、つまり温度変化で浮いてしまったり剥がれてしまったりという問題が生じていた。メッキをかけても3年くらいで剥がれてしまいます、という製造現場からの指摘もあった。それらも1つ1つ原因を突き止め対策を施した。

シフトノブの触感については、樹脂に革巻きを直接施した状態では握った感触が良くないこともあり、感触がソフトになるよう、塩化ビニールを1枚、クッションとして入れてある。職人の気配り、ここにあり。

これらブラックとサテンシルバーのコンビネーションはインテリア全体で一貫しているデザインであり、ドライバーの視界に入る部分の統一感という面でも優れている。

内装とマッチしたシフトノブ。手触りまで、考え抜かれた逸品だ。

ロックボタンは、どう押すべきか。
これが、C-HRの答え。

「シフトノブを設計する立場としては、ここはドライバーが必ず見て手を触れる部分ということで、まさに一丁目一番地的な存在であると認識しています」

デザイン性も使い勝手もしっかり両立させなければいけない。設計に携わる上ではそんな心構え、哲学が必要であるということはずっと心の中に留めていた。

従来、ATシフトレバーはロックボタンを設けることなく、ギザギザのセレクトゲートの間を前後左右に動かすモノが主流だった。しかし、C-HRは昨今の一直線の動きというトレンドを踏まえ、前後直線方向に動かすロックボタン付き構造を採用した。ロックボタンを押し込む方向は前後方向に動かすシフトレバーと違う方向になるような、指先で上に引き上げるという一種の2アクションになっている。

前後方向と上下方向のミックスでは操作しにくいのではないかという意見があるかもしれない。

「実際に開発の過程でも同様の指摘が社内でもなされましたが、これは安全性を優先しての採用でありご理解いただければと思います」

シフト操作はクルマが前に進むか後に下がるかを決定する単純かつ極めて重要な操作ポイントである。誤操作を誘発するような構造があっては絶対にいけない。ここにも設計者の哲学が込められている。

シフトノブの中央に着いたボタンが、ロックボタン。特定のギアに入れる時のストッパーの役割を果たしている。

ロックボタンは、人差し指・中指で押し上げるように使う。デザインと使い勝手を考え抜いた結果が、この小さなボタンの3cmに現れている。

テストするときは、付け爪のことまで考えて。

デザイン、人間工学、設計、この三者で議論を重ねながら完成したシフトノブとそのメカニズムはまさに努力の集大成だ。その一例として、実際に使用するユーザー層を想定してのモニター評価も綿密に行われている。手の大きな人、小さな人、大きさは男性と女性によっても違う上、そもそも女性はネイルチップをしている方も少なくない。実はそこまで考えて導き出された形状なのだ。まさにデザイナーのこだわりと設計側のこだわりの集大成的なシフトノブであることは間違いない。

「違いは最初に見て握って貰えれば理解していただけると信じております。」

あらゆる人を、あらゆる指を、あらゆる爪を想定したテストを行った。「誰でもすっぽりと握りやすい」そんな言葉を実現するには、多くの労力が支払われている。

C-HRのすべてを知りたい方、
体感したい方はこちら。

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